Bスポット療法
(EAT:上咽頭擦過療法)

慢性上咽頭炎という病気があります。
上咽頭は鼻の奥、のどの一番上にあり炎症が起こるとまずのどの痛みや鼻の奥の痛みとして自覚しますが、やがて痛みが治まり長引く鼻づまり、後鼻漏、のどの違和感といった症状がのこる慢性炎症となります。
それに対し、塩化亜鉛液を上咽頭に擦りつける治療法〈Bスポット療法(EAT:上咽頭擦過療法)〉が行われます。
この処置を行うと最初は血がにじんだり痛みも強く表れますが、炎症が改善していくにつれ痛みや出血は軽くなっていきます。
また、炎症が強い方ほど処置の時の痛みが強く、改善が見込まれる方ともいえます。
当院でも実施しておりますので、ご相談ください。

慢性上咽頭炎が関与しうる疾患と症状

上咽頭炎による直接症状(放射痛を含む) 咽頭違和感、後鼻漏、咳喘息、痰、首こり、肩こり、頭痛、耳鳴り、舌痛、歯の知覚過敏、多歯痛、顎関節痛など
自律神経系の乱れを介した症状 全身倦怠感、めまい、睡眠障害(不眠・過眠)、起立性調節障害、記憶力・集中力の低下、過敏性腸症候群(下痢・腹痛など)、機能性胃腸症(胃もたれ、胃痛など)、むずむず脚症候群、慢性疲労症候群、線維筋痛症など
病巣炎症として免疫を介した二次疾患 IgA腎症、ネフローゼ症候群、関節炎、胸肋鎖骨過形成症、掌蹠嚢疱症、乾癬、慢性湿疹、アトピー性皮膚炎など

堀田修 「道なき道の先を診る」2015年. 医薬経済社

塩化亜鉛溶液を用いた上咽頭擦過(EAT)による診断と治療

0.5%~1%塩化亜鉛溶液を染みこませた綿棒(鼻から:鼻綿棒、のど:喉頭捲綿子)を上咽頭の後壁に擦りつけます。


日本病巣疾患研究会ホームページより引用
※コロナ禍の現在、基本的には鼻からの処置のみ行っています。口からの処置は反射の強い方ではむせやすいため限定的に行っています。

EATの作用機序

日本病巣疾患研究会ホームページより引用